非営利法人編 Vol.4 寄付を集めるにはどうすべき?

非営利法人編 Vol.3では業界団体を設立する場合についてお話しました。
続いて、非営利団体を運営する方々にとって一番の悩みが「売上の立て方」だと思います。

中でも「寄付」を受けたい場合には、寄付者にどんなメリットがあると説明できるかが重要になります。

認定NPOや公益法人化を目指す

NPOは認定NPO、社団・財団は公益法人になることで、寄付者が寄付額をベースにした税控除を受けられるようになります。
本質的には「単発寄付」「マンスリーサポーター(月額寄付、サブスクのイメージ)」「高額寄付」を目指していくことになりますが、原則として非営利活動は「公共性」があり「対価性」がないことになっておりますので、寄付者の方の善意によって成立します。

そのナラティブは「地元が同じ、同じ課題を持つなどの共感」「社会貢献」であったりしますが、対価性がない中なので、少しでも寄付者にメリットを、と考える場合には、自分たちで認定を取りに行くパターンがあります。

細かな違いはありますが、個人の場合ですと、概ね以下の方針になっています。
ふるさと納税の感覚を持っていただけると理解しやすいかと思います。

※相続税控除のルールに若干の違いあり
※控除額には上限があります
※以下は概算です、実際の税率や制度は変更になる可能性があるため実際の法律や制度を参照の上、ご自身で計算ください

①税額控除
所得水準に関わらず税金が減ります。

(寄付金額-2,000円)x40%=所得税額控除

年収500万円の人が5万円寄付した場合:19,200円が所得税減額
寄付者がお住まいの自治体が条例で指定していれば、住民税がさらに最大10%(都道府県4%+市区町村6%)控除されます。

②所得控除
寄付額に応じて課税所得から控除できます。
(寄付金合計額 – 2,000円) × 所得税率 = 控除額

年収500万円(課税所得の税率を10%と仮定)の人が5万円寄付した場合:48,000 x 10% = 4,800円を控除できる
年収1,000万円(課税所得の税率を20%と仮定)の人が5万円寄付した場合:48,000 x 20% = 9,600円を控除できる

実際の認定を受ける道のりはなかなか大変

認定NPOであれば主にパブリックサポートテスト(PST)、公益法人であれば内閣府または登記自治体の認定が必要です。
※公益法人に対するPST要件の緩和はこちら

<パブリックサポートテスト>
A. 絶対値基準(人数のテスト)
・基準: 3,000円以上の寄付者が、年間平均で100人以上いること。
・実務のポイント:金額の大小ではなく「ファン(支援者)の数」が重要です。少額でも定期的に寄付してくれる人を集める必要があります。

B. 相対値基準(割合のテスト)
・基準: 法人の経常収入のうち、寄付金が20%以上を占めていること。
・実務のポイント:
企業などの大口寄付がある場合に有利ですが、事業収入が大きすぎると、この20%の壁が非常に高くなります。

こういった寄付実態のほか、事業計画、内部規約、経費が妥当に使われているかなどの「公益的活動」の主体であるかどうかをしっかり見られます。

ファンドレイザー試験を受けるのもお勧め

日本ファンドレイジング協会さんが、認定ファンドレイザー資格制度を展開されています。
この協会が展開する「寄付白書」をベースに出題がありますが(基本はCBT形式です)、この白書を読むだけでも非常に勉強になりますので、寄付に関心がある方は購入してみることをお勧めしています。

日本の大学でもファンドレイザーの採用、OBOGを中心にした寄付依頼が増えてきました。
周囲に大学関係者がいる場合、ファンドレイザーの方のお話を伺ってみるのも良いと思います。

他方、米国の主要大学、特に「通称・アイビーリーグ」では、入学金や授業料を元手に運用をする、いわゆる「エンダウメント・モデル」が行われています。

私も以前、「エンダウメント投資戦略」を拝読して非常に感銘を受けました。
集めたお金を運用して、資金を取り崩さずに経営を継続するという、トラディショナルな話ではあるのですが、実際に実行に移すとなるとなかなかハードルが高いものではあります。
ご関心を持たれた方はぜひ一読してみてください。

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