クリエイター編 Vol.1 クリエイター特有の留意事項

こんにちは、株式会社N.FIELDです。
クリエイターの方からも「税金や契約がよくわからない」とご相談をいただくことがあります。

ここでは、アーティスト、クリエイターの方に関するコラムを書いていきたいと思います。

法人成り判断は他のビジネスと同じ基準

・所得税と法人税の損益分岐を理解して、法人化し節税をしたい
・クライアントから法人契約にしたいと言われた

これらの話は、営んでいるビジネスや活動が何であっても、法人化の判断基準は同じになります。
「マイクロ法人編」をお読みください。

ペンネーム活動の場合、実名特定が懸念

一つ目は実名特定の可能性が挙げられます。
VTuberやアイドル業の方の中には、過激なファンやアンチの方が接触できてしまうことに対する危機感がある方がいらっしゃいます。
特に女性は身の安全に対して気になる方は少なくないでしょう。

法人登記をすると代表取締役の氏名と住所が謄本に記載されます。
法人の登記住所をバーチャルオフィスにすれば問題ないのではないの?と思われるかもしれませんが、個人住所も載せることになっています。

現在は、代表者住所非開示請求ができますので、気になる方は設定しておく方が安全でしょう。
住所に郵便物が届くことを証明する手続きが必要で、郵送で少し時間が掛かったので、余裕を持って対応することをおすすめします。

歴史的に、サービス開始にあたり本人確認を要する業態では、この謄本取得によって身元確認を行っているものもありましたが、SNSの発達により危険が及ぶ方を守る方が優先されるべしとして改正が行われています。
私もこの提言には仕事で関与させていただきましたが、プライバシーや安全の観点で重要な改正だったと感じます。

わざわざ法務局に行って謄本を取得しようとする人はなかなかの状態にあると考えられますが、制度上それを妨げることはできません。

決算開示をどう考えるか

同様の観点で、株式会社を選択すると決算開示義務が発生します。
自分の活動の状況を他人に把握されたくない…と強く考える方の場合は、合同会社を選んだ方が安全かもしれません。

日本国で登記する法人は決算作成義務が発生します。
開示することを決算公告といいますが、株式会社の場合、以下のいずれかを選択して公開しなければなりません。

  • 会社のホームページ等に掲載する
  • 「官報」に掲載する
  • 新聞等に掲載する

新聞は購読者も減っているでしょうし、官報も謄本同様、商業登記に詳しくなければ見にいく人は少ないでしょう。
あえて人目につかないところへとも考えられる一方、掲載にあたりお金もかかりますし、そもそも自分も馴染みがないと対応が面倒と感じやすいと思います。

融資や出資を受けたいので、情報透明性を高めるべく掲示をする方もいらっしゃると思いますが、開示すべき情報をできるだけ少なくしたい場合は、合同会社が選択肢に挙げられるでしょう。

なお、NPO法人、社団、財団等の非営利法人の場合は、上記三種に「主たる事務所等への掲示」も加わります。
これはこれで、不特定多数の人が出入りができるマンションの入り口など、公共性の非常に高い掲示になるのでハードルは高いです。