クリエイター編 Vol.3 創作活動と著作権

つづいては、近年さかんにニュースでも取り上げられるようになった「IP(知的財産権)」。
著作物の権利はどのように整理されるのでしょうか。

まずは個人で創作活動をしている前提で、オリジナル作品である一次創作、原著作者がいる作品のキャラクターなどを用いた創作を行う二次創作についてまとめてみます。

個人で創作活動を行う場合

インターネットやSNS、収益分配型プラットフォームの台頭により、個人でも自分の作品を創作し、公開し、収益化することのハードルが下がってきました。

イラストや漫画であればPixiv, BOOTH, Fanboxなどのアカウントを開けて、同人誌を販売したり、サブスク収益を得られます。
小説などの文字作品であれば、Kindle等の電子書籍媒体で販売を行えるほか、カクヨムなどの投稿サイトではPVに応じて収益が入ります。
歌い手の方も、自身で作詞作曲をしたり、プロモーションビデオを創作して、YouTubeなどで公開し、PVに応じた収益を得たり、バンドのキャラクターによる物販をすることができるでしょう。

自分が人気になればなるほど、真似をする人が出てくることが悩みになります。
類似のキャラクターや作風(異世界転生してxxx等)については、SNS上で当該相手とバトルするかはともかく、法的に、原著作者である主張をして相手に取り下げを求めることは難しいでしょう。

また、著作をした瞬間に著作権があるとみなされるため、原著作者が制作した作品名やキャラクターの容姿・服装などについて、その著作性が認められる一方、二次創作についても、それらを応用した別の話として部分的著作権が認められる判例が出ています。

参考:知財高裁でBL同人作品の無断コピーは著作権侵害という当たり前の判決(2020/10/8(木))

二次創作については、原著作者の許可を取っておらず、同人誌即売会などでの取引が行われているとするならば、原著作者の方がお怒りになる可能性はありますのでご注意ください。

歌については、著名な歌を「歌ってみた」でPVを伸ばし、オリジナル作品へ流入してもらうというやり方がありますが、これが本人に対する著作権侵害にならないのかというと、一部プラットフォームとJASRACは包括契約になっており、例えばメロディが特定されると原著作者に収入が入る設定になっているとのこと。(原盤権はまた別)

版元(公式)がその権利関係に対しどう声明を出しているか、プラットフォームが版権元とどう契約しているかが分かれていくようなので、権利関係がわからない時は、公式やプラットフォーム、文化庁などを調べてみるのが安全ということになりそうです。

参考:著作権、これってOK?NG?(文化庁)

著作権については、例えば高齢になったので作品の著作権や商標を法人へ法的に譲渡し、親族や後見人に法人役員になってもらって、管理してもらうといった対応もありえますが、これについては別途まとめてみたいと思います。

海賊版は通報、似ているものは排除不可

例えば絵をそのままコピーしてグッズ化、あるいは名前を騙って販売しているものは海賊版となります。
以前は誹謗中傷同様に、開示請求をして、内容証明を送って…と、被害に遭った側の負担が大きいものになっていましたが、今はアップロードしているプラットフォームがあれば、海賊版のコンテンツを非公開にしてもらえるようになりました。

  • DMCA(デジタルミレニアム著作権法)通報:GoogleやX(旧Twitter)、Instagramなどは、著作権者からの通報があれば、裁判なしで一旦コンテンツを非公開にします。なりすましも通報することができるようになりました。
  • Amazon・メルカリ等の知的財産保護プログラム:商標権などの権利者としてあらかじめ登録しておけば、プラットフォームへの通報を行い、海賊版を出品停止にできます。

他方、例えば、海老のビスクが流行したとして、おそらくはブームの発端とされるお店に行って食事をせずに、コンビニで販売されているOEM版やPB版を購入したとしても、その売上に対して原案料や販売差し止めを主張することはできません。

製造技術については別の問題ですが、タピオカ、白いたいやき、シュニール織やレースで縁取られたハンカチが他店で売られていても、それを訴えることはできないということになります。
スーパーに行けば、キユーピー、味の素、ケンコーなどのメーカーによるマヨネーズが売られている感覚に近いかもしれません。
絆創膏についても、「カットバン」は祐徳薬品工業株式会社の登録商標ですが、別の名前の商品はドラッグストアやコンビニで売られています。

同様に、贋作や、原作の無断使用による商業活動は著作権侵害を主張できますが、絵柄や画風の類似性は差し止めることができません。
贋作ではありませんが、アンディー・ウォーホルの事例や、ジブリフィケーションの事例が参考になります。
ウォーホルについては、例えば、キャンベルからは訴訟が起こりませんでしたが、リン・ゴールドスミスによる控訴審(第二審)では著作権侵害となりました。

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